ぽっかぽか

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臨床心理士・公認心理師指定大学院の研究計画書のテーマの決め方

こんにちは!2019年秋入試で2つの心理系大学院に合格したあみかです。

 

記憶の新しいうちに、研究計画書の書き方について記録に残しておこうと思います。

特にテーマの決定は、時間はかかりましたがスムーズに進み、良いテーマを選ぶことができたので、何かお役に立てることがあるのではないかと思います。

 

それでは早速書いていきたいと思います。

 

大きなテーマから絞る

 

まずは、関心のあるテーマについて、大きなテーマから徐々に小さなテーマに絞っていきましょう。

テーマの大小について例にします。

 

「臨床」>「精神障害」>「発達障害」>「ADHD

 

このように分けることができます。

 

この例でいうと、3段階目の「発達障害」くらいまでは決まっている人が多いかもしれません。

ここでは、この中の「ADHD」くらいまで絞る方法をお話しします。

 

 

さて、指定大学院の研究計画書の場合、基本的に1段階目は「臨床」になるかと思います。

その中から、まずは「心理的異常」「心理特性」「介入法」のどれに関心があるのか考えます。

 

心理的異常」には、何らかの精神障害発達障害不登校、マタニティーブルーなどが含まれます。

 DSMにのるような医学的な疾患であっても、そうでなくてもかまいません。

(先行研究がぜんぜんないようなニッチなテーマでは書きにくいかと思いますが)

 

「心理特性」とは、健常な人もそうでない人も持っている心理的な性質のことです。

例えば、自尊心、主観的幸福感、原因帰属、レジリエンス、ソーシャルサポート、好みなどが含まれます。

 

「介入法」には、来談者中心療法、行動療法などの様々な心理療法などが含まれます。

研究としては、特定の技法や特定の対象への効果研究などがあげられるでしょうか。

 

 

そして、この3つの中からより特定の小さなテーマを選びます。

 

発達障害のように更に小さなテーマがあるものはできるだけ絞っていきます。

 

このようにして、1つの小さなテーマが決まったら一歩前進です♪

 

 

テーマの絞り方

 

さて、テーマには大きさがあり、少しずつ小さくしていくと良いと言いましたが、これからその絞り方についてお話します。

 

といっても大層な話はできないのですが、基本的には少しでも関心のあるものを選んでいくだけです。

 

そのとき、どっちの方が関心があるかわからなかったら、何か資料を読んでみましょう。

もっと深く知りたい!と興味をもったり、将来こういう分野に貢献したい!と思ったテーマを選んでいきます。

少しずつ取捨選択しつつ、決まるまで他の資料なども読んでいきましょう。

 

初めは授業資料、手持ちの本など馴染みのあるものから利用していくと良いです。

 

そこから、一般向けの図解本、心理初学者向けの本、専門職向けの本、論文など、テーマが小さくなってくるにつれて専門的にしていくと良いです。

 

本は図書館などを利用しましょう。

 

研究計画は、なぜその分野にしたのか面接で聞かれることもありますので、教育・医療・福祉・産業・司法の中で進みたい進路が決まっていたら、それに関連するものにするのが無難だと思います。

 

小さなテーマと掛け合わせる要素を考える

 

次に、小さなテーマといっても「ADHD」だけでは何を研究するのやら…という感じなので、それに掛け合わせるテーマを考えます。

 

例えば、ADHDをより絞り込む要素として「大人のADHD」、掛け合わせる要素として「自閉性との合併」「職場適応」「介入法」「対人関係」などなど…。

 

心理的異常」「心理特性」「介入法」に分けましたが、「心理的異常」を選んだのなら、それと関連する「心理特性」を調べるなど、別のものと掛け合わせることもあります。

 

掛け合わせる要素ついても、「心理的異常」「心理特性」「介入法」に分けて詳しくお話します。

 

 

心理的異常

 

心理的異常の場合は、先ほどの例にも挙げましたように、「(他の)心理的異常」「心理特性」「介入法」「(特定の)対人関係」などと掛け合わせることができます。

絞り込む要素として、「年齢層」「対象は誰か」などがあります。

 

以下、例を挙げます。

 

  • 年齢層ならば、大人のADHD、小学生におけるADHD、高校生におけるADHD
  • 心理的異常ならば、他の発達障害との合併やうつ病などの2次障害、不登校
  • 心理特性ならば、ADHD児童の自尊心、原因帰属、ソーシャルサポート…
  • 介入法ならば、特定の療育の技法、特定の技法と別の技法の組み合わせ、特定の技法と薬物療法の組み合わせ、周囲の関わり方、環境調整の方法…
  • 対人関係ならば、クラスでの適応、母子関係、兄弟関係、職場適応…
  • 対象ならば、本人なのか、家族なのか、教員なのか、友人なのか…

 

こういった要素をいくつか組み合わせて、より細かいテーマにすることができます。

 

心理特性

 

例えば「自尊心」の場合、「(他の)心理特性」「心理的異常」「対人関係」「環境による違い」「ある1点なのか変化を追うのか」「(特定の)介入法との関係」などと掛け合わせることができます。

 

心理特性は、「その心理特性を高める要因」か「その心理特性の機能」に焦点をあてられることが多いです。

(自尊心を高める要因として考えられる要素か自尊心が高い人は○○が高くなると言えるのか)

 

これももう少し具体的な例を挙げます。

 

  • 他の心理特性ならば、主観的幸福感、自己受容感、レジリエンス
  • 心理的異常ならば、うつ病患者の自尊心、発達障害者の自尊心、身体障害者の自尊心…
  • 対人関係ならば、友人関係と自尊心の関係、家族関係と自尊心の関係…
  • 環境ならば、高偏差値の学校と低偏差値の学校での違い、兄弟の人数による違い、所属集団による違い…(少し対人関係と被りますが)
  • 変化を追うならば、小学生と中学生での違い、所属集団への所属年数による違い…
  • 介入法との関係ならば、来談者中心療法は自尊心の向上に影響があるのか?精神分析は?…

こういった内容が考えられます。

 

 

介入法

 

介入法は、基本的に「技法」×「対象」になります。

 

技法には、皆さんご存じの通り来談者中心療法、認知行動療法精神分析などがありますね。

新たな知見を得たいわけですから、その技法のより詳細な部分だったり、新しい技法だったりします。

 

スマホアプリを使った認知行動療法とか、セラピストの特定の態度とかですかね。

 

対象は、年代、正常か異常かなどで更に分けられます。

  • 大学生、子ども、老年期…
  • 健常者、不登校・ひきこもり、うつ病、パーソナリティ障害、解離症、発達障害

 

効果研究なら量的研究、新しい技法ならば質的研究になることも多いかもしれません。

 

 

掛け合わせまとめ

 

というわけで、このように1つの小さなキーワードに2~3の要素を掛け合わせるとテーマが簡単に決まります。

 

3つに分けた要素は最終的に掛け合わせることが多いですね。

それに「性差」なんかを掛け合わせることもあるかもしれません。

 

掛け合わせる要素の決め方としては、自分で考えてみてもいいですし、関連のある書籍から着想を得てもいいと思います。

(上記の例にはいくつかおかしな組み合わせがあると思いますが、あくまで例ということであまり気にしないでください…)

 

 

先行研究を読み込み、テーマを確定させる

 

さて、掛け合わせる要素をいくつか組み合わせても、それでテーマは決まりません。

だってそれらを論文検索したら、おそらく大量に研究が出てきますから。

しかし、ここまでくれば山場は超えたと思っていいと思います。

 

次にすることは、そのキーワードをそのまま論文検索し、出てきた論文を読み込むことです。

読みながら、まずこのテーマではどんな研究が多く、どんな結果が出ているのかを大まかに把握していきます。

 

その次に(同時並行でも良いですが)、気になる論文の「この論文での課題・問題点」に注目します。

 

「この論文では○○が示唆されたが、△△ということはまだ明らかになっていない」というような記載です。

その△△をあなたが研究すればいいのです。

 

それ自体も別の論文ですでに研究されていないかどうかを確かめる必要はあるので、気をつけましょう。

 

 

そういった記載が見当たらない、あるけれど、人的・時間的・金銭的コスト的に厳しいなど、そう簡単にはいかない場合は、すでに分かったことをまとめていき、まだ分かっていない研究の「穴」を自分で見つけるしかありません。

分かったことと分かっていないことを紙やExcelなどにまとめていきましょう

しかし、その場合も先行研究を読み込んでいますので、方法などはいくつかの研究のやり方をまねればよいだけです。

 

どちらにしても、先行研究を読めばおのずとテーマは決まってくるので、大変ですが頑張ってください!

 

 

まとめ

 

では、もう一度最初から最後までの流れをまとめます。

 

  1. 大きなテーマからテーマを絞り込む
  2. 掛け合わせる要素・絞り込む要素を見つける
  3. 先行研究を読む
  4. まだ分かっていないことを探し、テーマを決定する!

 

この方法で進めれば、誰でもテーマを決められるはずです。

非常に時間のかかる作業ですので、早めに取り掛かりましょう。

 

また、大学4年生は卒論と被ることも多いのではと思います。

研究計画書のためにも、卒論のテーマは早めに決めましょう。

 

卒論と関連するテーマを選ぶと、考えるのも楽ですし、面接で卒論との関係を聞かれた時にも答えやすくていいですよ!

もちろん、絶対に卒論と関連していなくてはならないわけではありません。

 

というわけで、時間のかかる作業ですが、検討を祈ります!

 

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研究計画についても、一緒に考えさせていただきますので、ご関心があれば見てみてください。

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それでは!