人間性心理学から見た自信と自己受容
こんにちは!あみかです。
このブログでは自信についてたくさん記事を書いてきましたが、今回は人間性心理学から見た自信と自己受容についてお話します。
今回は、前提となる考え方は「人間性心理学」という心理学の考え方に基づくものです。
学部生の浅知恵ではありますが、私が知っている人間性心理学の考え方から思い至ったことをお話します。
体験と自己概念
自信や自己受容のお話の前に、人間性心理学の「体験」と「自己概念」についてお話します。
人間性心理学では、自分のことについて、体験と自己概念という領域があると考えます。
体験とは、自分が本当に体験したと感じている自分のことです。
(経験とも言います)
体験とはつまり、現実的な自分のことです。
自己概念とは、自分はこうだ、こうあるべきだなど自分に対する意識的なとらえ方のことです。
つまり、理想的な自分のことです。
この体験と自己概念は、一致している領域が大きいほど適応的で、それが小さいほど不適応的だと言われています。
適応的というのはより生きやすい状態というような意味合いです。
体験と自己概念は多くの場合完全には一致していません。
人間性心理学では、体験と自己概念の一致している領域が大きくなることを目指します。
その際、現実的な自分である体験を理想的な自分である自己概念に近づけようとするのではなく、ありのままの自分である体験を受容するようにします。
自分を変えるよりも自分を受容する方がはるかに容易であるし、自己概念に近づけるのが不可能であることもあるからです。
例えば、自分は小さいころ友達がたくさんいたから外向的なはずだという自己概念を持っているけれども、実際には内向的(体験)だったとします。
これは体験を自己概念に近づけるのがほぼ不可能な例です。
外向性、内向性というのは生まれ持っての気質ですので、変えられるものではありませんし、変えようとするよりもそれを理解し生かそうとする方が適応的です。
自信と自己受容
それでは、この体験・自己概念と自信・自己受容の関連についてお話します。
一般的に自信を高めるというのは、何か努力して自分に自信を持てるようにするという意味合いが強いように思います。
この場合、自信が持てるような「こうあるべきだ」という自分は自己概念で、実際の自分は「体験」です。
「努力して自信を持てるようにする」というのは、今のままでは、自信が持てない、つまり体験を否定しているということになります。
しかし、先ほどお話した通り、人間性心理学では、体験を自己概念に寄せようとするのではなく、体験を受容することで自己概念と体験の一致を図ろうとします。
この体験を受容するというのはすなわち自己受容です。
ですから人間性心理学の観点から見ると、自信を高めようとするよりも、自分を受容する方が適応的だということです。
最後に
最後に、自己概念に近づけるよりも体験を受容するというのは、努力を否定するものではありません。
体験が自己概念と乖離していることを嘆き、近づけるために努力するのは不足感からくる苦しいものです。
しかし、体験を受け入れた上で努力するのは、地に足がついた努力です。
体験を否定しながら努力するのではなく、体験を受容しながら努力すれば良いのです。
「目標」というものがありますね。
基本的に現状とのギャップから目標を立てて、そこに向かって努力するものです。
一般に、現状=体験を否定して目標=自己概念に向かって努力することが多いように思います。
けれども、体験を受容した上で、現状とのギャップを客観的に見て、より良い状態になるために目標達成を目指すのはより適応的ではないかと思います。
このように、現在の自分を否定しながら理想的な自分になるために努力するのではなく、自分を受容した上での努力ができると良いのではないかと思うのです。